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2015/10/14

2015年シーズン後半戦を振り返って

田中将大の大リーグ2年目のシーズンが、幕を閉じた。今シーズン最後の登板は、現地時間10月6日(以下全て現地日程)に行われた、アストロズとのワイルドカード・ゲーム。残念な結果に終わったものの、大一番での登板を任されるほど、田中はヤンキースにとって、欠かせない存在となっていた。

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プレーオフ進出をかけた1試合きりの戦い。今季20勝左腕のカイケルを相手に、ヤンキースタジアムには緊張感が張り詰めたが、田中は初回、先頭アルチューブ、2番スプリンガーを空振り三振に仕留め、3番コレアをセンターフライ。好調な出だしを切った。この日は5回を投げ4安打2失点。打線の援護が得られず、チームは0-3で敗れた。

ヤンキースのジラルディ監督は「普通なら5回で2失点しても、十分勝つチャンスはあるものだ。我々は今シーズン、カイケルを攻略できなかった」と、敗因を語った。

シーズンを締めくくるには悔しい1戦となったものの、ポストシーズンでの登板は田中にとってメジャー初体験。2015年は、メジャー2年目ながら、新しい経験の多い1年となったようだ。


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後半戦の活躍に注目してみると、まずは8月28日、敵地で行われたブレーブスとの交流戦の2回。ヤンキースの猛攻が続き、田中は1イニングに2度も打席に立った。これもメジャー初体験であったが、フルスイングを見せるなど打席でも積極的なプレーを披露した。

そのブレーブス戦での投球を、「初回は、普段はしない打席への準備でバタバタしてしまいました」とブログで振り返ったが、初回の2失点からすぐに立て直し、2回は三者凡退。さらに調子を取り戻した田中は4、5、6回も三者凡退に抑え、降板前の100球目には最速95マイル(約153km)を記録するなど、7回を5安打3失点7奪三振の好投を見せた。

これで今季10勝目。メジャー2年連続で二桁白星を挙げたのは、野茂英雄、松坂大輔、ダルビッシュ有に続いて日本人4人目の快挙となった。


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そして9月2日には、敵地でのレッドソックス戦に中4日で先発し、6回4失点5奪三振で11勝目。順調に白星を重ねた。この日はヤンキース打線も爆発し、13-8での勝利となった。試合後に田中は、「大量リードすることによって打者へのアプローチも多少なりとも変わりますし、やはり緊張感のある試合とは変わってきますね」と記者団に語ったが、リズムを崩さない投球を心がけた試合となった。

奇しくもこの勝利がジラルディ監督にとって監督通算800勝目。指揮官に記念すべき勝利を贈ることもできた。

8日、本拠地でのオリオールズ戦に登板すると、8回6安打1失点と好投。104球を投げ、今シーズン初となる10三振を奪い、日米通算1500奪三振を記録した。チームは1-2で敗れたものの、田中のピッチングは冴えわたり4回までパーフェクト。5回は先頭打者のデービスを四球で塁に出すも、その後パレデス、スクープを連続で空振り三振に仕留めた。その後二死から走者一塁のピンチを招いたが、ハーディを二飛で打ち取り無失点。6回にはこの日唯一の1点を許すも7、8回を無失点で終え、田中も試合後に「すべてのボールをいい感覚で投げることができたと思います」と振り返った。


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更に13日には本拠地でのブルージェイズ戦に中4日で登板し、7回4安打無失点。同じアメリカンリーグ東地区で首位を走る強豪を相手に、チームは前日までに4連戦を3敗。連敗ストッパーとしてマウンドに上がった田中は7奪三振、四球はゼロ、合計108球の完璧な投球で5-0と快勝し、期待に応えた。

初回二死で3番バティスタを塁に出すも、4番コラベロを三振に仕留め無失点とする。二回も1死からピラーを二塁に出すも、素早い牽制。セーフの判定とされたが、チームがチャレンジを要求すると、判定が覆りアウトとなった。その後も得点を許さず、4回から6回までは三者凡退。更に7回には走者を二塁に背負うも後続を抑えて無失点とし、雄叫びをあげた。これで12勝。投手陣の軸としての役割をきっちりと果たした。

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ただ、チームは不調が続く。18日にニューヨークで行われた地元のライバルニューヨーク・メッツとのサブウェイ・シリーズに登板し、テンポの良いピッチングを見せたものの、打線の援護に恵まれず、1-5で敗れた。初回を三者凡退に抑え、3、5回も無失点。6回82球を投げて降板した。この日地区首位のブージェイズが勝利したため、ヤンキースの自力優勝の可能性は消滅した。

10月1日、レッドソックスとの連戦最終日を勝利で飾ったヤンキースは、なんとかポストシーズン進出を果たし、球団通算1万勝と伴わせて、シャンパンファイトで自分たちを祝った。その後のワイルドカード・ゲームは前述のとおりだ。

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9月後半、米テレビ局CBSスポーツが、メジャー2年目の選手に注目し、今年活躍した10選手をピックアップした。両リーグから投手・野手合わせて選ばれた2年目選手の中で、田中は9位にランクイン。評価の中には「なぜか調子の出ないヤンキースローテーションにおいて、田中だけは安定感を保った」と評価された。

来シーズンに向けての課題を聞かれた田中は、コメントを次のように締めくくった。「自分のこの位置には満足してませんので、より高いところを目指して投げていくだけです」。メジャー3年目の田中の活躍に、今から期待したい。

2015/10/14